2008-01-01から1年間の記事一覧

ポップソングを作る。

映画は、とても厳しい状況にあるのだと思う。 そんな年末である…。 かといって、辞めますというわけにもいかないところが辛いところだ。 これまでと何もかも違うやり方を探さなければならないのだろう。 昔から、例えば映画の配給や宣伝の事を考える時、同業…

失われることについて

鈴木卓爾組を終え、通常業務に戻る。 疲れる。本当に疲れる。 何かをじっくりと検証する余裕すらない。 現在の映画がおかれている状況について、いくつかのニュース。 しかし…。 そんな中、山崎裕組『Torso トルソ』が完成しました。 スタッフ、キャスト、そ…

愚かでないからといって幸福だということもできない。

11日に実景を撮影して、鈴木卓爾組は、無事クランクアップ。 芝居部分は9日に、すでにクランクアップ。 キャストの皆さん、スタッフの皆さん、そしてご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。 ほんとうによい現場でした。 楽しかった。 終った時、…

鈴木卓爾組『私は猫ストーカー』はクランクイン

眠い。 とにもかくにも山崎裕組『トルソ』は、ダビングを終え、完成へラストランとなった。 菊池さんが音響助手の早川君の成長に目を細めているのが印象的。 深夜まで続いたダビングを終えて、その早川君とアオイスタジオからタクシーで帰る。 ところが、そ…

浦岡さん

浦岡敬一さんが逝ってしまった。 覚悟していた事とはいえ、悲しい。 浦岡さんは、数多くの映画の編集を手がけ、17歳で初めてお会いして以来、多くの事を教えてくれた人だ。 浦岡さんは、祖母の関係の親戚だったのだ。 小林正樹監督『東京裁判』、今村昌平監…

俗情の魅力

しかし、まぁ、疲れる…。 なんか、全然追っつかないな、という感じである。 鈴木卓爾組の準備は続く。 昨日は、プレロケハン中野新橋篇である。 監督、たむらまさきキャメラマン、助監督、制作部、脚本の黒沢さんとで、舞台となる古本屋の参考として、川島通…

もはや、神頼み。

あまりにもいろいろなことがありすぎて、すっかり久しぶりの更新。 疲れ切って、荒み切って、もうこれ以上悪いことが起きませんように、と毎日お稲荷さんに祈る。 世界恐慌だし、もはや神頼みである。 なぜお稲荷さんかというと、家の近くにあるからだけれど…

“初心”のようなもの

今日は、『buy a suit スーツを買う』の東京国際映画祭2度目の上映。 雨なのにたくさんのお客さんにご来場いただき、ありがとうございました。 昨日は、追悼上映として『BU・SU』の上映があった。 久しぶりにプリントで『BU・SU』を見る。市川監督のデビュー…

片隅にあるものを愛した人

今日は、東京国際映画祭で市川準監督の遺作となってしまった『buy a suit スーツを買う』の一回目の上映があった。 終って、どうもまっすぐ事務所に帰りたくなくて、歩く。 いらしていただいたたくさんの皆さん、ありがとうございました。 深夜、ふと思い出…

いさかい

山崎裕組『トルソ』のヒロイン、ヒロコを演じてくれた渡辺真起子さんが出演しているTPTの舞台『いさかい』を観に、森下のベニサン・ピットへ。 渡辺さんは、『トルソ』を終えて、すぐにこの舞台の稽古に参加。 しかも、『いさかい』は、18世紀フランスの劇作…

裏町を行こう、横道を歩もう

すすむものあり、すすまぬものあり、と日々は過ぎる。 「俺たち幸せになるかな」と問われ、「ならないでしょうね、世界恐慌ですから」と答える。 冗談のようで、冗談ではない。 バタバタと立ち上がった企画は、原作者と連絡をとりつつ脚本をすすめる。平行し…

悲しがってばかりはいられない。

悲しがってばかりはいられない。 山崎裕監督作品『トルソ』は、編集中。 昨日は、差し入れを持って行きがてら、山崎監督と編集の大重さんの作業を覗く。山崎さんの撮影による映像が、美しい。いい感じだと思う。 急に立ち上がった新企画について、いろいろと…

“東京市民”の“市井”の人たちの映画

まだどこかで呆然としている。 19日に市川準監督が亡くなって、喪の仕事が始った。監督のいないMAがあり、お通夜があり、『buy a suit』の今後を巡って幾つかの打ち合わせがもたれる…。 予定通り、東京国際映画祭でも、来年ユーロスペースでも公開されるので…

勢いだけで描いた“線”のような…。

山崎裕組が終わり、クランクイン直前に見た市川準監督の『buy a suit スーツを買う』のことを書こうと、ずっと思っていました。 なのに、19日未明に市川さんは急ぎ足で逝ってしまわれました。 18日は、この作品の本編集があって、それを終った後、深夜亡くな…

事物に対する尊敬。

山崎裕組は、10日無事クランクアップ。 ご協力をいただいた皆さん、ありがとうございました! クランクアップは、母の実家から帰るヒロイン・ヒロコが、高校の同級生たちに出会ってしまうシーン。出演はヒロコを演じている渡辺真起子さんのほか、戸田昌宏さ…

映画の神さまがいる。

体は正直だ。 夜になって雨が降る。その直前に疲れ切った首が痛み出して、雨が降ると教えてくれる…。 9月1日から、現場に入っている。撮影は10日間。今日で8日目。あと2日でクランクアップである。入った当初は、一日が長く、朝撮ったシーンが、まるで3日前…

ぼくはあの庭が好きだった。

怒濤の一週間。 待望の企画…某プロダクションにて、原作のオプション契約を結ぶ話をさせていただく。そこに御大登場。子供の頃から読んでいた方だけに、ちょっと舞い上がる。一歩前進。すごく嬉しい。監督のSと共同プロデューサーのSと、長い時間をかけて題…

物の風情

心を鎮めて取り組もうと思う…。 とにかく、各社への契約書作りに追われる。 現場は、ロケハン。帰って来た助監督Kをはじめ演出部、制作部は、こんがらがってパズルのような撮影スケジュールに頭を悩ませている。 決定稿も脱稿した…。 その間を縫って、突然立…

「誰かが私を殺しにくるようだ」と円朝は言う。

「新しさとは物の古びる部分である」とヴァレリーは言ふ。 ううむ、そうなのだ。 昨日は、安藤尋監督、斎藤久志さんと打ち合わせ。ある企画について。僕も、安藤監督も、そして斎藤さんも、学生時代に読んだこの原作をずっと忘れなかった。それは、どこかで…

稗史は敗者の歴史と重なる。

とにもかくにも打ち合わせ。 半年もの間、とろとろと眠っていた企画が突然動き始める。今日の夕方の会議で、実現に向けて台本を作り始めることとなる。しかし、半年とは…それはそれとして、やはり嬉しい。低予算ではあるが、いい作品になるだろう。早速、原…

幼年期の恥辱と恍惚

今日は、衣裳打ち合わせ、そして、制作演出部の打ち合わせへと続く。 上手くいっていると思えば、すぐ足下に落とし穴がある。 まったく油断できない。 三木卓の労作『北原白秋』を読了。 「白秋は母の愛を十分に浮けないで育ったかもしれないが、いきなり異…

廃市は、その廃れた面紗のかげに淫らな秘密を匿している。

引き続き、9月にインする作品の打ち合わせが続く。 脚本の佐藤さんの手によって、脚本が飛躍的に良くなっていく。しかし、まだ粘る。もう一息だ…。 先週は朗報が届く。しかし、現時点での朗報であって、それが本当の意味で朗報となるかどうかは、まだまだこ…

さながら水に浮いた灰色の棺である。

ここのところずっと、9月にインする作品の打ち合わせが続いている。 先週の木曜日から土曜日までは、脚本の整理に追われていた。監督の書いた脚本を、『ユダ』や『泪壷』などの瀬々敬久監督の佐藤有記さんが直し、監督へキャッチボール。それを、助監督Kと制…

はっぴいとは言えんど

まぁ、先週は待ちぼうけである。 もう馴れっこだ、と言いたいのだが、実はそうでもない。 ただ待っているだけ、というのも能がないので、いろいろ考えたり動いたりする事にはしたのだが…。 『トキワ荘の青春』を見たら、なぜかはっぴいえんどが聞きたくなっ…

生きている内に忘れられた人間は、死んだ後では思い出しようがない。

どういうわけか耳かきがない。 まぁ、うちの猫の仕業に決まっているのだが。うちの猫は耳かきが好きだ。これまで幾つの耳かきが、彼の犠牲になったかしれない。しかし、一本も見当たらないとは、どういうことだ? それはともかく、参考試写と称して、ひとり…

しかし、われわれは…楽しむことだ。

8/23からシネセゾン渋谷のレイトショーで公開されるジュリアン・テンプル監督『NO FUTURE:A SEX PISTOLS FILM』と10月にやはりシネセゾン渋谷で公開されるドン・レッツ監督『THE PUNK ROCK MOVIE』を続けてみる。 パンク・ロックのドキュメンタリーとしては…

まぁ、元気づけられたのだな。

暑い、暑い。 この半年ぐらいずっと振り回されている気がする。 しかし、落ち込んでる暇はない…。 昨夜は、遅くに9月にインする作品の主演女優であるWから電話。なんだかしみじみ長い時間話す。昨日は、この新しい作品が、どのような作品なのか、初めて捉ま…

その未完成性によって永遠に終ることのない物語

なんかもの凄く疲れる。 無神経な物言いに、訳もなく腹が立つ。 多分、疲れすぎているのだ。 建設的でない無為な会議も、もうたくさんだと思う。 どこにいっても、何をしてもこんなもんなんだろうけど…。 さてさて、昨日は夜になって助監督Kが訪ねてくれて、…

ぼくらの作品は、無事離陸を果たすだろうか…。

なんだかね…。 もう弊害しか見えてこない。 さてさて、鈴木卓爾さんと打ち合わせ第2弾。 13時過ぎに始った打ち合わせは、19時まで続く。しかし、これが面白い。原作の検討にはじまり、黒沢清監督の『アカルイミライ』の分析から別役実の傑作戯曲『ジョバンニ…

誰が自分にこの負債を契約したのか。

またもや腰が痛い…。 水木しげるさんの資料を読むことから、貸本マンガ(もちろんマニアではないので、そんなには読めない)の資料を読むことにスピンオフ。徳南晴一郎『怪談 人間時計』『ひるぜんの曲』から、つゆき・サブロー『寄生人』へ。太田出版からか…