はっぴいとは言えんど

hogodou2008-07-27

まぁ、先週は待ちぼうけである。
もう馴れっこだ、と言いたいのだが、実はそうでもない。
ただ待っているだけ、というのも能がないので、いろいろ考えたり動いたりする事にはしたのだが…。
トキワ荘の青春』を見たら、なぜかはっぴいえんどが聞きたくなったので、『はっぴいえんど(ゆでめん)』『風街ろまん』『HAPPY END』を聞く。ついで、ではないが『HOSONO HAUSE』と『大瀧詠一』も準備する。
聞き始めて…いや、やはり三枚とも大好きである。
不覚にも1曲目の「春よ来い」で涙しそうになる。
「抱きしめたい」「空いろのくれよん」のセットを繰り返し聞く。「はいからはくち」の格好良さにしびれる。
残念ながら『定本 はっぴいえんど』は持っていないので、萩原健太さんの『はっぴいえんど伝説』を久々に読む。そして、野上眞宏さんの写真集『HAPPY 1 1968-1970』と『HAPPY 2 1970-1973』の2冊を、ゆっくりとめくっていくことにする。周知のように、野上さんは、細野さんと高校、大学の同級生で、バーンズ、エイプリル・フールはっぴいえんど、そしてその解散を通じて彼らとその周辺の姿をフィルムに定着させている。
とてもいい。
この写真集が『SNAPSHOT DIARY』と名付けられているように、これは野上さんの日々の記録でもある。だから当然、ミュージシャンたちの姿だけでなく、大学卒業後、入社した写真スタジオ、アートセンターの仲間の姿や、WORKSHOP MU!!の眞鍋立彦さん、中山泰さん、奥村靫正さんたちの姿もそこには映し出されているのだが、これがいいのである。
『HAPPY �』の奥村さんとの対談で、眞鍋立彦が小説家眞鍋呉夫の息子だということをはじめて知る。
上手く言葉にすることができないのだが、彼らの活動が、例えば渋谷ー下北沢ー吉祥寺とかそのような狭い範囲の中にあるのではなく、“東京”と言えば、それは山手線の内側、例えば銀座、白金、六本木、渋谷、新宿であり、その“東京”と“アメリカ”に近い場所としての“狭山”という振幅の中にあることが。とても豊穣なものとして感じられる…。
暗い眼をしている少女(なのかな?)だった吉田美奈子さんの写真がとてもいい。『扉の冬』は、どこに仕舞ったのだろう?
野上さんに、興味を持つ。レコード・コレクターズの増刊『はっぴいな日々』に当時のことを書いた長いエッセイが掲載されていたはずである。