2008-01-01から1年間の記事一覧

古くたって面白いものは面白い。

足立倫行さんの『妖怪と歩く 評伝・水木しげる』読了。 その後半、次のようなくだりがある。 足立さんと水木さんは、こんな話をする。神戸市立美術学校で何を学んだかという話である。 水木さんは言う。 「人物が苦手だったんです。風景は好きだけど人物画が…

ここにおいて、「図」と「地」は反転する。

ああ、これはどうなんだろう。 なんだか胃が痛い…。 とにかく資料を読み続ける。ここのところは、足立倫行さんが書いた『妖怪と歩く 評伝・水木しげる』。印象に残るのは、水木さんの絵について書かれた部分である。よく言われることではあるが、「背景の細…

「世界はやがて改革されるはずだ」と言って、死ぬまで口をつぐんだ。

最近いろいろなことがよく分からない…。 分からないが、分からないと言っていても仕方がないので仕事をする。千本ノックのように打ち合わせをするのだ。今日は4本…。そして合間に電話、電話…。3本以上打ち合わせを続けていると、時々自分が何ついて話してい…

明るい色の虚無が、そこにある。

うーん、なんだか喋りすぎたような気が…。 今日は、鈴木卓爾さんと打ち合わせ。13:00に待ち合わせて、22時過ぎまで、あれやこれや。その後、女優のWと電話で更に喋る…。卓爾氏と話すのは面白い。話は、核心から、あちらへ飛び、こちらへ飛び、ぐるりと回って…

いつまでたっても読み終わらない「本」が好きなのだ。

まだ週の半ばなのに…。 『1973年のピンボール』から『風の歌を聴け』と続いた村上春樹初期作品祭り(ひとりでだが)は、『羊をめぐる冒険』へ。もう少し「僕」と「鼠」につき合ってみたくなったのだ。この本を読んだのも最初に単行本が出版された時以来であ…

恐らく僕のことなのだろう。

今週は妙に疲れた…。ショックなことがあり、馬鹿馬鹿しいことがあり、待機があり、なんともいい加減な感じで動き出した企画があり…嬉しいのは嬉しいのだけれど。そう言えば、BRAINZもあったっけ…。 ユリイカの原稿を送るとY編集長から電話がある。トリッキー…

世の中にはそんな風な理由もない悪意が山とあるんだよ。

解決しない、あれやこれや。そんな毎日ではある。それでも、やらなければならないことは多い。 清順師は、お風邪を召されたようで、明日は延期となる。久しぶりだったので、少々残念。ご高齢なので、来週またお電話することにして大事をとっていただく。 ユ…

たとえば、星を見るとかして。

うーん、いろいろ駄目なんじゃないかと思う。ちょっと今日は、頭が混乱気味。あれこれ考えるのだが、まったくまとまりがつかない…。 夜、久しぶりに清順師に電話をする。もちろん椅子の上に正座である。お元気そうな声では、ある。先日の葉書には、あれこれ…

俯瞰を弄んでは、いけない。

なんだか、な…。 それはともかくマイケル・ハーの『ディスパッチズ ヴェトナム特電』が届く。 ほかの読書は、すべて中断して読み始める。まだ25ページ。すでに特派員であるマイケル・ハーは。「一歩の耳でカセットのロックンロールを、もう一方の耳でヘリの…

犬たち

廣木隆一監督の緊縛師とモデルの関係を描いたドキュメンタリー作品『縛師』の公開が、今日から渋谷ユーロスペースで始る。天気も悪く、入りを心配していたが、多くのお客さんが駆けつけてくれて、ほっとする。皆さん、ありがとうございました。しかも若いお…

ハート・オブ・ダークネス

もはや末期的だ…。 ものすごく眠い。それが、一日中眠い。逃避だとしか思えないほど眠いのだ。といっても、眠っている訳にはいかないので仕事をする。 急な動きに戸惑いつつも、日向朝子監督との企画について、あれこれと考える。水曜日には会議があるのだ。…

廃馬は撃つもんじゃないんですか?

なんだか今日は疲れてしまった。 特に変わったことをしていた訳ではない。いつもの通り。なのに、もう帰りの自転車では、くたくたなのだ。こんな日もある、ということか…。こんなに儲からないのだから、せめてもう少し楽しんだってよさそうなものじゃないか…

かれの夢にはブルースが加わっている。

どたばたとここ数日、企画書作りであった。 日向朝子監督と、半ば冗談のように、半ば本気で考えていた企画が動き出しそうな空気になっているのだ。と惑いはあるが、ちょっと嬉しい。実は、監督とは別の企画をすすめていたのだが、こちらの方が急に動き出した…

世界はもう意味を失っているというのに。

『JOY DIVISION ジョイ・ディヴィジョン』は、本日めでたく初日。いらしていただいた皆さん、ありがとうございました。ちなみに、明日5/18は、イアン・カーティスの命日。今日も、初回が終って出て来られたお客さんの中に、目を真っ赤に泣きはらした方がいら…

マジカル・ミステリー・ツアー

結局、今週はずっと眠い、そして腰が痛い…。 こうなると雨が止んで、晴れてくれたことが嬉しい。 昨日は、長い会議をした後で、日向朝子監督と新宿でこれまた長い打ち合わせ。うーん。新宿の某喫茶店で待ち合わせたのだが予想通り、入った途端知り合いばかり…

こうしてわれわれはまたも孤独だ。

とにかく阿呆のように眠い。 眠い上に、まだ腰が痛い。これは何か関係があるんだろうか…。と言ったら、ユーロスペースのHさん曰く、ストレスと疲労、そこからの逃避だよ、俺もそうだったもん、今もそうだけどさ、と。そうかも。おまけに肩まで痛い…。 ここ数…

ロード・キル。または「これで終わりなの?」

なぜか腰が痛い。はて…? 奥原浩志監督と打ち合わせをしたり、久しぶりに赤犬のアキラくんと電話で話したり。 合間合間にバリー・ギフォードの『ナイト・ピープル』を読み直す。 幾つかの小説を断章化して、モザイクというか、連句的に組み合わせた(縒り合…

『三人の狙撃者』

手の腫れは、抗生物質と破傷風の注射であっさりひいて、ちょっとほっとする。 猫は混乱状態に疲れきったらしく、寝てばかり…。 GW明けは、予想していたとはいえバタバタ。今週末から『JOY DIVISION ジョイ・ディヴィジョン』の前哨戦とも言える音楽とアート…

「用無し」の人生。

猫に噛まれた傷が腫れて、GWがちょっと心配だったので医者へ。 破傷風の注射をうたれ、抗生物質の薬をもらい、手をガーゼとネットでグルグル巻きにされる…。いやはや。 相変わらず示唆的な滝本誠さんの『渋く、薄汚れ。ノワール・ジャンルの快楽』を読む。筆…

屑ども。

いやはや…昨日は、波乱万丈の一日。最後は、猫に噛まれて、今日は手が腫れ上がる…。 タナダユキ組『俺たちに明日はないッス』は、めでたく初号。みなさん、ご協力ありがとうございました。メインの高校生役の若者たちと再会。みんなとにかく若いので、こっち…

神さえ一瞥もくれない存在

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの「接続された女」を読む。 うーん、傑作だと思う。凄い。なんの感情移入もない小説。出てくる人間は、クズばかり。しかし、この短編を最後まで読んで来て、なぜか、そしていつの間にかこの小説のヒロインである“怪物”P…

ウェイクフィールド

タナダユキ監督の『俺たちに明日はないッス』が無事、0号をむかえた。時間がかかった作品だったが、ちょっとホッとする。この作品を企画した当時は、ある種、青春の一時期に対するノスタルジックな感情が残る映画になりそうな気がしていたのだけれど、出来上…

幼い哲学

石井桃子さんが亡くなってしまった…。 出がけ、不意に『幼ものがたり』を読もうかと思い、鞄に入れたのだ。昼間ネットで検索すると、4月2日に101歳でお亡くなりになったという記事が出て来た。悲しい。子供の頃から、石井さんの本を読んで育ってきたと言って…

うんざりするまで踊らされるのだ。

こんなことなら、もういい、と思わせるようなことがある。 思い立って、リチャード・パワーズを再読中。 柴田元幸さんらがお書きになった『パワーズ・ブック』に目を通してから、『舞踏会へ向かう三人の農夫』。 「写真に付されたキャプションが、ひとつの記…

ソルジャー・イン・ザ・レイン

『ギリシア変身物語集 メタモルフォーシス』を読む。 紀元後2〜3世紀頃にアントーニーヌス・リーベラーリスによって採取された41篇の変身物語。 「…人間の情熱や欲望が、絶対者としての神に否定されることなく、その情熱にふさわしい動物や物体に変形するま…

『膚(はだえ)の下』読了。

ついに『膚(はだえ)の下』読了。 面白かった。読むのが面白くて、飯を食べる時も寝る時も、時間がある限りずっと読んでいた。別のやり方、別のあり方の模索をめぐる教養小説。“創造”することについての思索の小説でもある。 「人工物を作るということ、な…

まだ『膚(はだえ)の下』。

バタバタと4月に突入し、日々が過ぎる。 奥原浩志監督とは秘策の打ち合わせを、深夜のファミレスで。いつも事務所のある渋谷で打ち合わせをしていたのだが、お互い家が近いのだから、夜、2軒の中間くらいで会えばいいんじゃないかということになったのだ。…

草森紳一さんが亡くなった事を知る。

敬愛していた草森紳一さんが亡くなった事を知る。 もちろんお会いした事はない。その著書を、連載されている文章を楽しみにしていた。70歳。心不全で3月20日に亡くなったという…。『荷風の永代橋』『江戸のデザイン』『ナチスプロパガンダ 絶対の宣伝』『素…

『膚の下』を読み続ける。

神林長平『膚(はだえ)の下』を読み続ける。 この小説を読みながら、無性に映画が見たくなるは、なぜだろう? 『シチリア!』に引き続き、ダニエル・シュミットの映画がなんだか見たくなる。ところが、家にはシュミットさんの映画が、ビデオもDVDもない…。…

『膚の下』を読む。

タナダユキ組のダビング最終日。今日で音の仕上げは終了。なんだかんだで深夜11時頃までかかる。 後はほぼ初号を待つばかり…。菊池さん、黄くん、早川くん、お疲れさまでした。なんだかんだで、この三人と去年から3本の作品をご一緒した。アオイスタジオの高…