うんざりするまで踊らされるのだ。

hogodou2008-04-16

こんなことなら、もういい、と思わせるようなことがある。
思い立って、リチャード・パワーズを再読中。
柴田元幸さんらがお書きになった『パワーズ・ブック』に目を通してから、『舞踏会へ向かう三人の農夫』。
「写真に付されたキャプションが、ひとつの記憶を呼び起こしたーーー舞踏会へ向かう三人の農夫、一九四一年。年を見るだけで、三人が舞踏会に予定どおり向かってはいないことは明らかだった。私もまた、舞踏会に予定どおり向かってはいなかった。我々はみな、目隠しをされ、この歪みきった世紀のどこかにある戦場に連れていかれて、うんざりするまで踊らされるのだ。ぶっ倒れるまで踊らされるのだ」
そう、踊らされるのだ。
こんな踊りじゃなかったと思った時には、もう遅いのだろう。
昨日は、BRAINZ。映画のミクロの政治性など、あれこれ。来月は20日にあります。
ピーター・ボグダノヴィッチ監督の『ペーパームーン』をDVDで見る。何度見ても可愛らしい小品。しかも、久しぶりに見るとよく出来ている。野球映画のことを考えていたので、手近にあった『フィールド・オブ・ドリームス』も見る。野球映画の話をしていたら、M氏にすすめられた『ワン・カップ・オブ・コーヒー』は未見。マイナーリーグの話。DVDが出ていなそうなので、ビデオで早速見ることにする(まだ見てないけど)。野球映画じゃないけど、シドニー・ルメット監督の『旅立ちの時』とジョン・セイルズ監督の『ブラザー・フロム・アナザー・プラネット』も見ることにする。『旅立ちの時』は好きだった。警察に追われる反戦活動家の両親とアメリカを放浪しているリバー・フェニックス。両親との別れの時、彼の回りを両親の乗った車が、祝福するかのように何度も回るのがよかった…。
パワーズの前は、円城塔の『オブ・ザ・ベースボール』と読みつつ、レムの『高い城』をつまみ読みしていた。
今日は、奥原監督と秘策の打ち合わせを深夜のファミレスで。シノプシスに対する意見の交換。脚本を書き始めることにする。日向朝子監督からも脚本の直しがあがってくる。
まだ当分、自ら踊りに行くのだろう…。