屑ども。

hogodou2008-05-01

いやはや…昨日は、波乱万丈の一日。最後は、猫に噛まれて、今日は手が腫れ上がる…。
タナダユキ組『俺たちに明日はないッス』は、めでたく初号。みなさん、ご協力ありがとうございました。メインの高校生役の若者たちと再会。みんなとにかく若いので、こっちは新任の(という年でもないが)教師のようになってしまう。
今日は、一日5/17に公開が迫ったドキュメンタリー映画JOY DIVISION』(くどいようですが、こちらは本物のイアン・カーティスが踊っている…。ボウイが高速で踊っているようだ、と言われた踊り)のパンフレットの入稿作業に忙殺される。鹿野淳さん、アンダカヴァーの高橋盾さん、それからはじめて中塚圭骸さんに文章をいただく。中塚さんの文章が、凄い。この方の文章には、EP-4と“80年代時代”(石器時代みたいな書き方で、彼はこう書く)をめぐる彼のHPで接していたが、これもとても面白い。そして、パンフの文章なのだが…壮絶なエッセイ。一読して背筋に寒気が走った。本当に凄いのだが、夜中に読んではいけない。うなされるから…。
限られたスペースだが、ジョイ・ディヴィジョンの「A to Z」もやった。山口哲一渾身の力作である。入稿も終わり、彼から一仕事を終えた喜びに満ちた熱いメールが、宣伝担当Tのもとに届く。いいパンフになったのではないかと思う…。
さて、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアをあれこれ読み継ぐ。しかし、なんと悲しい愛を書く人だろう。「愛はさだめ、さだめは死」「楽園の乳」…。その愛し方は、彼らのものであって、われわれのそれとは違う。しかし、それは間違いなく愛なのだ。圧倒されて、一編読み終わっては溜め息ばかりついている。
ぼーっとしながら、やっぱり神様にずっと見られているなんて窮屈だな、と思う。もう放っておいて欲しい、と切実に思う。それこそ、一瞥もされなくて構わない。しかし、映画はそのような存在を描くのが難しい、ということも分かっている。とるにたらない存在。小さいものを、その小ささのままに、とるにたらないものを、とるにたらないもののままに描くことの、何と困難なことだろう。映画は常に、とるにたらないものを、何かであるもののように描いてしまう…。不自由なものだ。
せめて屑どもの映画が見たいと思う。例えば映画じゃないけどスタージョンは、愛すべき屑どもを描くのが上手かった。そして、ジム・トンプスン。『残酷な夜』が読みたくなる。