いつまでたっても読み終わらない「本」が好きなのだ。

hogodou2008-06-18

まだ週の半ばなのに…。
1973年のピンボール』から『風の歌を聴け』と続いた村上春樹初期作品祭り(ひとりでだが)は、『羊をめぐる冒険』へ。もう少し「僕」と「鼠」につき合ってみたくなったのだ。この本を読んだのも最初に単行本が出版された時以来である。しかし、もうすぐ読み終わってしまう…。週頭に、副都心線に乗ったら、ダイヤが乱れていてまったく動かず。某駅から渋谷駅まで1時間くらい電車の中に閉じ込められる。その間もずっと読んでいたというのもあるのだが…。まだ途中なのでなんとも言えないのだが、『羊をめぐる冒険』もまた「悪意」をめぐる小説のように思える。しかし、ひとが一人死に、そして友人であったもう一人がそれを受け止めるために、すべてを失い、何とも遠くに、そして何とも手の込んだやり方で迂回せねばならないのか…。
読みながら、その痛ましさに途方に暮れる。
さて、この後は『ダンス・ダンス・ダンス』に行くべきか、それとも『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に向かうべきか…。
仕事はなかなか難しい局面にある、と思う。ぼーっとしていても仕方がないので、真心ブラザーズの「人間はもう終わりだ」を聞き、本を読み、人と会い、電話をかけ倒す。つまり仕事をするわけだが。いい話もあるが、道のりは決して簡単ではない。
敬愛するフリーの編集者S氏と久しぶりに電話で話す。痩せちゃったんだって?と聞くと、その後すこし太ったんだけど、このごろの方が「痩せた」「痩せた」と言われる。人は痩せた後、それを認識するために少し時間が必要みたいだ、S氏と笑う。
これまた敬愛するプロダクションの社長であるHさんとマネージャーのAさんと、食事をしながらあれこれ話す。その帰り道、北冬書房に寄って高野慎三さんと映画の話をしたり、マンガの話をしたり。その後、鈴木卓爾さんと電話で近況などあれこれ…喋っていたのだが、本題に入る前に携帯電話のバッテリーが切れる…。
こうやって、次々に本を読み終わってしまうことが、すごく寂しくなることがある。
いつまでたっても読み終わらない「本」が好きなのだ。