『膚(はだえ)の下』読了。

hogodou2008-04-08

ついに『膚(はだえ)の下』読了。
面白かった。読むのが面白くて、飯を食べる時も寝る時も、時間がある限りずっと読んでいた。別のやり方、別のあり方の模索をめぐる教養小説。“創造”することについての思索の小説でもある。
「人工物を作るということ、なにかを創造するというのは、人間の、彼ら自身の創造主に対する復讐のために必要な行為なんだ」
「…創造とは創造主への復讐だ、と少佐は言った。その意味が、わかってきた。人間は、その遺伝子の働きかけからは逃れられない。膚の下に流れるその血は、人間自らが創ったものではない。なのに、否応なくそれに支配されている。それから、逃れたいんだ。逃れる能力がある、ということを、いるかいないかはわからなくても、そういう相手を夢想し、ようするに創造主に向かって、宣言したいんだよ」
ラスト近く、アートルーパーたちが“動物”に変身していくくだりで、少し涙する。
アントーニーヌス・リベラーリスの『ギリシア変身物語集 メタモルフォーシス』が読みたくなる。オドフ・ステープルドンの『スターメイカー』も再読したくなる。そうだ。最初の頃は、『魔の山』を読むつもりだったんだ…。

ええと、またBRAINZが15日にあります。
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