事物に対する尊敬。

山崎裕組は、10日無事クランクアップ。 ご協力をいただいた皆さん、ありがとうございました! クランクアップは、母の実家から帰るヒロイン・ヒロコが、高校の同級生たちに出会ってしまうシーン。出演はヒロコを演じている渡辺真起子さんのほか、戸田昌宏さ…

映画の神さまがいる。

体は正直だ。 夜になって雨が降る。その直前に疲れ切った首が痛み出して、雨が降ると教えてくれる…。 9月1日から、現場に入っている。撮影は10日間。今日で8日目。あと2日でクランクアップである。入った当初は、一日が長く、朝撮ったシーンが、まるで3日前…

ぼくはあの庭が好きだった。

怒濤の一週間。 待望の企画…某プロダクションにて、原作のオプション契約を結ぶ話をさせていただく。そこに御大登場。子供の頃から読んでいた方だけに、ちょっと舞い上がる。一歩前進。すごく嬉しい。監督のSと共同プロデューサーのSと、長い時間をかけて題…

物の風情

心を鎮めて取り組もうと思う…。 とにかく、各社への契約書作りに追われる。 現場は、ロケハン。帰って来た助監督Kをはじめ演出部、制作部は、こんがらがってパズルのような撮影スケジュールに頭を悩ませている。 決定稿も脱稿した…。 その間を縫って、突然立…

「誰かが私を殺しにくるようだ」と円朝は言う。

「新しさとは物の古びる部分である」とヴァレリーは言ふ。 ううむ、そうなのだ。 昨日は、安藤尋監督、斎藤久志さんと打ち合わせ。ある企画について。僕も、安藤監督も、そして斎藤さんも、学生時代に読んだこの原作をずっと忘れなかった。それは、どこかで…

稗史は敗者の歴史と重なる。

とにもかくにも打ち合わせ。 半年もの間、とろとろと眠っていた企画が突然動き始める。今日の夕方の会議で、実現に向けて台本を作り始めることとなる。しかし、半年とは…それはそれとして、やはり嬉しい。低予算ではあるが、いい作品になるだろう。早速、原…

幼年期の恥辱と恍惚

今日は、衣裳打ち合わせ、そして、制作演出部の打ち合わせへと続く。 上手くいっていると思えば、すぐ足下に落とし穴がある。 まったく油断できない。 三木卓の労作『北原白秋』を読了。 「白秋は母の愛を十分に浮けないで育ったかもしれないが、いきなり異…

廃市は、その廃れた面紗のかげに淫らな秘密を匿している。

引き続き、9月にインする作品の打ち合わせが続く。 脚本の佐藤さんの手によって、脚本が飛躍的に良くなっていく。しかし、まだ粘る。もう一息だ…。 先週は朗報が届く。しかし、現時点での朗報であって、それが本当の意味で朗報となるかどうかは、まだまだこ…

さながら水に浮いた灰色の棺である。

ここのところずっと、9月にインする作品の打ち合わせが続いている。 先週の木曜日から土曜日までは、脚本の整理に追われていた。監督の書いた脚本を、『ユダ』や『泪壷』などの瀬々敬久監督の佐藤有記さんが直し、監督へキャッチボール。それを、助監督Kと制…

はっぴいとは言えんど

まぁ、先週は待ちぼうけである。 もう馴れっこだ、と言いたいのだが、実はそうでもない。 ただ待っているだけ、というのも能がないので、いろいろ考えたり動いたりする事にはしたのだが…。 『トキワ荘の青春』を見たら、なぜかはっぴいえんどが聞きたくなっ…

生きている内に忘れられた人間は、死んだ後では思い出しようがない。

どういうわけか耳かきがない。 まぁ、うちの猫の仕業に決まっているのだが。うちの猫は耳かきが好きだ。これまで幾つの耳かきが、彼の犠牲になったかしれない。しかし、一本も見当たらないとは、どういうことだ? それはともかく、参考試写と称して、ひとり…

しかし、われわれは…楽しむことだ。

8/23からシネセゾン渋谷のレイトショーで公開されるジュリアン・テンプル監督『NO FUTURE:A SEX PISTOLS FILM』と10月にやはりシネセゾン渋谷で公開されるドン・レッツ監督『THE PUNK ROCK MOVIE』を続けてみる。 パンク・ロックのドキュメンタリーとしては…

まぁ、元気づけられたのだな。

暑い、暑い。 この半年ぐらいずっと振り回されている気がする。 しかし、落ち込んでる暇はない…。 昨夜は、遅くに9月にインする作品の主演女優であるWから電話。なんだかしみじみ長い時間話す。昨日は、この新しい作品が、どのような作品なのか、初めて捉ま…

その未完成性によって永遠に終ることのない物語

なんかもの凄く疲れる。 無神経な物言いに、訳もなく腹が立つ。 多分、疲れすぎているのだ。 建設的でない無為な会議も、もうたくさんだと思う。 どこにいっても、何をしてもこんなもんなんだろうけど…。 さてさて、昨日は夜になって助監督Kが訪ねてくれて、…

ぼくらの作品は、無事離陸を果たすだろうか…。

なんだかね…。 もう弊害しか見えてこない。 さてさて、鈴木卓爾さんと打ち合わせ第2弾。 13時過ぎに始った打ち合わせは、19時まで続く。しかし、これが面白い。原作の検討にはじまり、黒沢清監督の『アカルイミライ』の分析から別役実の傑作戯曲『ジョバンニ…

誰が自分にこの負債を契約したのか。

またもや腰が痛い…。 水木しげるさんの資料を読むことから、貸本マンガ(もちろんマニアではないので、そんなには読めない)の資料を読むことにスピンオフ。徳南晴一郎『怪談 人間時計』『ひるぜんの曲』から、つゆき・サブロー『寄生人』へ。太田出版からか…

古くたって面白いものは面白い。

足立倫行さんの『妖怪と歩く 評伝・水木しげる』読了。 その後半、次のようなくだりがある。 足立さんと水木さんは、こんな話をする。神戸市立美術学校で何を学んだかという話である。 水木さんは言う。 「人物が苦手だったんです。風景は好きだけど人物画が…

ここにおいて、「図」と「地」は反転する。

ああ、これはどうなんだろう。 なんだか胃が痛い…。 とにかく資料を読み続ける。ここのところは、足立倫行さんが書いた『妖怪と歩く 評伝・水木しげる』。印象に残るのは、水木さんの絵について書かれた部分である。よく言われることではあるが、「背景の細…

「世界はやがて改革されるはずだ」と言って、死ぬまで口をつぐんだ。

最近いろいろなことがよく分からない…。 分からないが、分からないと言っていても仕方がないので仕事をする。千本ノックのように打ち合わせをするのだ。今日は4本…。そして合間に電話、電話…。3本以上打ち合わせを続けていると、時々自分が何ついて話してい…

明るい色の虚無が、そこにある。

うーん、なんだか喋りすぎたような気が…。 今日は、鈴木卓爾さんと打ち合わせ。13:00に待ち合わせて、22時過ぎまで、あれやこれや。その後、女優のWと電話で更に喋る…。卓爾氏と話すのは面白い。話は、核心から、あちらへ飛び、こちらへ飛び、ぐるりと回って…

いつまでたっても読み終わらない「本」が好きなのだ。

まだ週の半ばなのに…。 『1973年のピンボール』から『風の歌を聴け』と続いた村上春樹初期作品祭り(ひとりでだが)は、『羊をめぐる冒険』へ。もう少し「僕」と「鼠」につき合ってみたくなったのだ。この本を読んだのも最初に単行本が出版された時以来であ…

恐らく僕のことなのだろう。

今週は妙に疲れた…。ショックなことがあり、馬鹿馬鹿しいことがあり、待機があり、なんともいい加減な感じで動き出した企画があり…嬉しいのは嬉しいのだけれど。そう言えば、BRAINZもあったっけ…。 ユリイカの原稿を送るとY編集長から電話がある。トリッキー…

世の中にはそんな風な理由もない悪意が山とあるんだよ。

解決しない、あれやこれや。そんな毎日ではある。それでも、やらなければならないことは多い。 清順師は、お風邪を召されたようで、明日は延期となる。久しぶりだったので、少々残念。ご高齢なので、来週またお電話することにして大事をとっていただく。 ユ…

たとえば、星を見るとかして。

うーん、いろいろ駄目なんじゃないかと思う。ちょっと今日は、頭が混乱気味。あれこれ考えるのだが、まったくまとまりがつかない…。 夜、久しぶりに清順師に電話をする。もちろん椅子の上に正座である。お元気そうな声では、ある。先日の葉書には、あれこれ…

俯瞰を弄んでは、いけない。

なんだか、な…。 それはともかくマイケル・ハーの『ディスパッチズ ヴェトナム特電』が届く。 ほかの読書は、すべて中断して読み始める。まだ25ページ。すでに特派員であるマイケル・ハーは。「一歩の耳でカセットのロックンロールを、もう一方の耳でヘリの…

犬たち

廣木隆一監督の緊縛師とモデルの関係を描いたドキュメンタリー作品『縛師』の公開が、今日から渋谷ユーロスペースで始る。天気も悪く、入りを心配していたが、多くのお客さんが駆けつけてくれて、ほっとする。皆さん、ありがとうございました。しかも若いお…

ハート・オブ・ダークネス

もはや末期的だ…。 ものすごく眠い。それが、一日中眠い。逃避だとしか思えないほど眠いのだ。といっても、眠っている訳にはいかないので仕事をする。 急な動きに戸惑いつつも、日向朝子監督との企画について、あれこれと考える。水曜日には会議があるのだ。…

廃馬は撃つもんじゃないんですか?

なんだか今日は疲れてしまった。 特に変わったことをしていた訳ではない。いつもの通り。なのに、もう帰りの自転車では、くたくたなのだ。こんな日もある、ということか…。こんなに儲からないのだから、せめてもう少し楽しんだってよさそうなものじゃないか…

かれの夢にはブルースが加わっている。

どたばたとここ数日、企画書作りであった。 日向朝子監督と、半ば冗談のように、半ば本気で考えていた企画が動き出しそうな空気になっているのだ。と惑いはあるが、ちょっと嬉しい。実は、監督とは別の企画をすすめていたのだが、こちらの方が急に動き出した…

世界はもう意味を失っているというのに。

『JOY DIVISION ジョイ・ディヴィジョン』は、本日めでたく初日。いらしていただいた皆さん、ありがとうございました。ちなみに、明日5/18は、イアン・カーティスの命日。今日も、初回が終って出て来られたお客さんの中に、目を真っ赤に泣きはらした方がいら…