あけましておめでとうございます!

hogodou2009-01-01

あけましておめでとうございます!
旧年中は大変お世話になりました。
2009年も何とぞよろしくお願い致します。
年も明けたので、事務所のブログを作ってみました。
http://d.hatena.ne.jp/slowlearner_m/
こちらもご覧いただければ幸いです。
向うが表で、こちらが裏ヴァージョンという感じでしょうか…。
31日には、日頃お世話になっている西荻窪の古本屋さん音羽館のHさんに、本を引き取りに来ていただく。
今日はお一人。
本を車に積み込んで、立ち話。
大好きな野呂邦暢の小説の話しから、10月10日にHさんも中心になって行われた“佐藤泰志を語る会”のことへ。
このイヴェントのことを全然知らなかった。
2007年には今は亡き小説家・佐藤泰志さんの作品集が出版されたときは驚き、すぐに購入して、むさぼるように読んだのだった。
その後、打ち合わせで会った奥原浩志監督から、「佐藤泰志って読みました?」と聞かれ、またびっくり。
深夜のファミレスで「海炭市叙景」について話したのを覚えている。
その後、話は、大森にあった古本屋さん山王書房の話しへ。
この伝説的な古本屋さんを、私は知らない。
もちろん、Hさんも間に合っていない。
店主であった関口良雄さんがお書きになった『昔日の客』も読んではいない。
いつ買ったのか覚えてはいないのだけれど、尾崎一雄が編んだ『関口良雄さんを憶う』という追悼文集を持っている。
そして、石神井書林さんや月の輪書林さんのお話から、彼らが山王書房を大切に思っていることは感じていた。
やはり大森にあった天誠書林が閉店した事も、Hさんからお聞きする。
そういえば、まるで学校のように通った阿佐ヶ谷の弘栄も、三鷹三鷹書房も閉まってしまった…。
天誠書林は山王書房を精神的に受け継いだお店だったと聞く。
なぜか、話しはそのままカーネーション直枝政広さんの話しへ。
直枝さんも古本好きで、山王書房や天誠書林のことが、その著書である『宇宙の柳、たましいの下着』に登場するという。
樋口泰人さんが作った本じゃないか。
Hさんが、いい本ですよ、とおっしゃる。
買ったまま、読んでなかったのをちょっと恥じる。
Hさんがお帰りになってから、本棚から引っ張りだして読む。
本の冒頭に掲げられた「居残りさんは今日も走っている」にヤラれる。
続いて、「風の中のマリー、生き急いだエリオット」にも。
なんだか切なくて泣けてきた。
「居残りさん」とは、もちろん川島雄三監督の『幕末太陽伝』でフランキー堺が演じた佐平次のことである。
「果たしておれも佐平次みたいに走れるだろうか。」
いい本だった。
ラジカルな、ポップソングの作り手の思考の軌跡。
ゆっくり、そして繰り返し読むことにする。
樋口さん、今まで読まなくてごめんなさい。