ジェラールよりもっと遠くへ!

hogodou2007-12-28

こうやって一年が過ぎて行く…。
年の瀬も、年の初めも関係なく、ただ駄馬のように走るのだ。
夜から冷たく、そしてひどい雨になる。山村浩二さんのアニメーション『カフカ 田舎医者』を上映しているシネカノン有楽町二丁目へ。ドイツ文学者の池内紀さんと山村さんのトークに立ち会う。山村さんは、先日の『砂の影』試写にいらしていただいたようで、別れ際、はにかんだようないつもの笑顔で、面白かったです、と言って下さる。嬉しい。
今日はいくつかの打ち合わせの後、『BIG RIVER』の船橋淳監督が来る。彼は、アメリカから今年帰って来た。日本で映画を撮ると言う。船橋監督と初めて会ったのは、いつの頃だったか。彼の大学の先輩である豊島圭介監督の『明るい場所』のスタッフとしてだったか…。その作品の上映後まもなく、彼はニューヨーク大学に留学した。そう言えば、『明るい場所』の撮影も、たむらさんだった。録音は菊池さん。その頃、知り合ったのか…。船橋監督から彼の新作の話を聞く。エドワード・ヤン監督のことなど話す。
最近はずっと『井上究一郎文集 プルースト篇』をつまみ読み。『マルセル・プルーストの作品の構造』は、もう随分長く手許にある。その「まえがき」で井上さんは、ジャン・ルーセの文章を引用している。
「作品は何よりまずその構造であるとしても、構造は全作品ではない」
「ブルーストのヴィジョンを開花させたネルヴァル」を何度も読む。ネルヴァルが無性に読みたくなる。
「(プルーストの未発表の)創作手帖には、つぎのような命令的なノートが読まれるからである、----《ジェラールよりもっと遠くへすすもう》」
ネルヴァルも好きだ。この作家を読むようになったのは、ジャック・リヴェットのお陰なのだ。
ジェラールよりもっと遠くへ!