書簡文学論

hogodou2007-12-02

昨日、別のものを探しに入った本屋で小島信夫さんの『書簡文学論』が平積みになっているのを見て、飛びつくように買う。おまけに横には『小説の楽しみ』という語り下ろしまで出ているではないか!
この『書簡文学論』の出版をどんなに待ちわびていたことか。
『残光』の中でだったか、この本の出版計画があることを知り、それ以来本屋を覗く度に、といっても毎日行くのだけれど、まだ出てはないかと必ず確認していたのだった。でも、その頃は、まだ小島さんは生きておられた…。
確か、『私の作家遍歴』を復刊して、『書簡文学論』を収録するような計画だったような気がする。ずっと小島さんの小説を読んで来た者にとって、『書簡文学論』が面白くないはずがない…というより、小島さんの小説の核となるようなテーマのひとつに触れる事ができるような気がしていたのだった。
すぐに喫茶店で読み始める。
なぜか文章から濃厚なエロさを感じる。
『私の作家遍歴』3冊と『菅野満子の手紙』を本棚から出す。
ラクロの『危険な関係』とドストエフスキーの『貧しき人々』を読みたくなる。
第六信まである章のうち、第五信まで読んで、ちょっと休憩。
読み終わるのが、もったいない気がしたのだ。