と思ったらクランクアップ

hogodou2007-11-15

怒濤のように日々が過ぎる。
10/30にクランクインしたタナダユキ組は、あっという間にクランクアップ。
今回はさすがにヘロヘロである。
原作は、さそうあきらさんのコミック『俺たちに明日はないッス』。
脚本は、山下敦弘監督の諸作品や『神童』の向井康介。カメラは、『ワンダフルライフ』『誰も知らない』など是枝裕和監督の山崎裕さんというメンツである。しかも、16mm。もちろん35mmにブローアップするのだが、HDで撮影されることの多い昨今、珍しい撮影となった。「久しぶりにダイレクト・ブローアップにしましょうよ」とイマジカのK氏が、ニヤニヤ笑いながら提案する。ダイレクト・ブローアップとは、16mmのネガからダイレクトに35mmのポジフィルムにブローアップする方法で、これもまた近頃では珍しくなった。今回は、この方法をとる。
終って、疲れきる。
直前まで風邪がひどくて、撮影中は治ったかと思ったら、撮影が終了すると同時にぶり返したのだ。
いやはや。
そう言えば、ファスビンダー監督の『ベルリン・アレクサンダー広場』が、ドイツとイギリスでDVDになったことを知る。衝撃。すげぇ。学生時代に無字幕で見た。侯孝賢監督が、この映画を見て『悲情城市』を撮ろうと思ったと、何かのインタビューで読んだ事がある。早速、Amazonで取り寄せる。15時間近い大作である。久しぶりに渋谷パルコのリブロに行ったら、洋書でスチールと脚本がセットになった分厚いビジュルブックが出ている。立ち読みして、この画の感じは、エドワード・ヤン監督の『クーリンチェ少年街殺人事件』だと思う。侯孝賢監督だけではない。エドワード・ヤン監督も、この傑作を見ていたに違いない。『ベルリン・アレクサンダー広場』を見て、侯孝賢監督は『悲情城市』を撮り、エドワード・ヤン監督は『クーリンチェ少年街殺人事件』を撮る…。
しかし、エドワード・ヤン監督は逝ってしまった。
今となっては確かめようもない。
奥原浩志監督と会う。
エドワード・ヤン監督の『恐怖分子』の話をする。