甲斐田組『砂漠(仮)』がクランクアップしました。

hogodou2007-08-02

甲斐田祐輔組『砂漠(仮)』が全編8mmで撮影されたクランクアップしました。
芝居部分は、29日に、31日にアフレコをやって、本日の実景撮りでクランクアップ。今回もまた疲れたけれど、得るところの多い現場だった。毎日吐きそうだったけれど、やはり面白い現場だった。その面白さの大部分は、たむらまさきキャメラマンに負うところが大きい。大先輩であるたむらキャメラマンとは知り合って、もう10年以上になるのか。その都度話して来た事、教えてもらった事、彼が撮影をした作品を見て考えた事。そん様々な事を、撮影現場という場所で、実際に確認し、また関われる事ができたのは、自分にとっては、大きな喜びだったと言わざるを得ないだろう。
たむらさん、ありがとうございました。
それから、現場では相談役であり、兄貴分でもあった照明の平井さん、ありがとうございました。
そして、どうか、この作品に参加してくれた若いスタッフたちにとっても、この経験が糧になってくれることを願ってやみません。みんな、ありがとう。また現場で会いましょう。
俳優陣も面白かった。光石研さんや鈴木卓爾さんとも長い知り合いになるが、出ていただいたのは初めて。
江口のりこさんが素晴らしいのは分かっていたが、やはり素晴らしい女優だと思う。彼女が演じたあるシーンの演技によって、この作品の核が揺るぎないものになったといっても過言ではない。演劇と映画の演技の質の違いに苦しみながら参加してくれたポツドール米村亮太朗さん。岡部尚さんには『幽閉者』『16[jyu-roku]』に引き続き、出演してもらった。彼はある種の天才だと思う。山口美也子さんには、遊んでいただいたし、矢吹春奈さんは現場を重ねるほどに顔つきが変わっていったのも嬉しかった。
それにARATAさん。彼は、素晴らしかった。奥原浩志監督の『青い車』以来の付き合いになるが、ARATAさんの進化には驚かされるばかりだ。演技はもちろん、現場へ参加する姿勢が素晴らしい。彼がいることによって、撮影現場がどんなに安定したかしれない…。
江口さんは、ことあるごとに、でもみんなええ人やったなぁ、と言う。
小さな現場だったが、映画を作るという事はどういうことか、映画の現場とはどういうことか、と常に問われ続けているような日々だった。
ともあれヘトヘトである。
古井由吉の『夜はいま』を読む。夢を見る。