砂丘

hogodou2007-06-19

週末、法事でH市の実家に帰る。昨年亡くなった祖母の1周忌と母が大学生の時に亡くなった祖父の50回忌。ほとんど眠らないままに新幹線でH市へ。医者の従兄が、人の顔を見るなり、検診に来いと言う。すみません。今回の帰省は、甲斐田組のロケハンを兼ねている。H市の地図を買って、びっくり。併合で巨大になっている。もうI郡なんてない。H北市はおろか、T市も、M町までも併合して、隣町はもはや長野県である。
翌日、砂丘へ行って、また驚いた。小さくなっている…。とは言っても、広大なのだが。父曰く、T川にダムを作りすぎたため、砂が流れてこないため、浜は小さくなる一方だと。淋しい。昔は、砂丘に入ると海は見えない。二つ砂の丘を越えて、やっと海岸にたどり着くほど大きかったのだ。今では、砂の丘はひとつしかない。とにかく、写真を撮って帰京する。
東京は忙しい。
そして、どこか小心になる…。
今日は、渋谷の温泉施設が爆発。その瞬間、同じ渋谷にある事務所の窓ガラスが、突風に吹かれたように揺れる…。そんな中、電話で甲斐田組の打ち合わせ。昨日は、深夜まで監督たちと脚本の問題点を洗った。照明の平井さんや衣裳の宮本さんと話す。平井さんは、亡くなった照明の佐藤譲さんのチーフだった人だ。撮影のたむらさんは、打ち合わせの時、平井さんを呼びましょう、と速攻で電話をしてくれた。キャストもO君やMさんが参加してくれることになり、あとは決定稿を読んでから、ということになる。撮影は1ヶ月後である。
角田光代『ロック母』読了。
やっぱり処女作「ゆうべの神様」がよかった。川端文学賞を受賞した表題作の「ロック母」もいいが、もっと長く読みたい感じがする。主人公たちが抱く「胸くそ悪い」感じが、とてもいいと思う。
本屋で福岡伸一生物と無生物のあいだ』を買う。この渋谷の本屋も10月で閉店するという。仲の良かった店員さんも退職してしまった。顔見知りのバイトの女の子が、『赤い文化住宅の初子』見ましたよ、と声をかけてくれる。ありがたい…。でも、この子たちも、この店がなくなったら散り散りになってしまうのだろうと思うと、ちょっと切ない。
今日のiPod ヴァン・ダイク・パークス『Song Cycle』