撮る喜び

hogodou2007-05-31

甲斐田祐輔組の打ち合わせが続く。
音楽は、甲斐田監督の前作でもある『すべては夜から生まれる』のサウンドトラックも担当したコンボピアノの渡辺琢磨さんに依頼する。今日は、ざっとした音楽打ち合わせ。スケジュールの事。ラジオから流れてくる曲で踊るシーンがあるので、撮影前にデモをいただけるようにお願いする。甲斐田監督は、ブギウギでと言う。どんな曲があがってくるか、楽しみ。
続いて、撮影のたむらまさきさんと甲斐田監督の初顔合わせ。
名カメラマンであるたむらさんと甲斐田監督は親子ほど年が離れている。製作室で80年代に撮られた作品の参考試写をDVDでしながら、打ち合わせに入る。フィルムの事。照明の事。たむらさんは早速照明マンに電話。話は、あちらこちらに脱線するが、作らなければならないセットの具体的な有り様まで広範囲にわたる。たむらさんは、優しい。丁寧に甲斐田監督とコミュニケーションをとってくれる。事前にお渡ししていた準備稿に、いろいろと書き込みがあるのを見て、ちょっと嬉しくなる。たむらさんも初めての機材、フィルムを使っての撮影のため、幾つかの確認事項。甲斐田監督は、たむらさんに聞きたい事がたくさんあるのだろう。ちょっとモジモジするのが愉快だ。キャストのこと。カメラテストのこと。映画や小説に関する雑談(これが重要なのだ…)などなど。
気がつくと、打ち合わせは3時間を越えている。
空はすっかり曇って、雷鳴が響く。雲がいい感じですね、と僕。じゃ、撮らなきゃ、と手元の機材で撮影を始める真似のたむらさん。たむらさんから、“撮る喜び”が伝わってくるようだ。
これから『SAD VACATION』の試写に顔を出すというたむらさんと別れると、甲斐田監督は初顔合わせの余韻が醒めないのか、事務所でしばし雑談する。甲斐田監督も楽しそうだ。いい現場になりそうな気がする。一緒に打ち合わせに参加した制作のKが、今日映画に出会いました、と名言を吐く。今日、僕らの前に、夾雑物なしに映画に向かい合う人がいたのだ、と思う。
夜、『赤い文化住宅の初子』のトークイヴェント。今日のトークは、タナダ監督、原作の松田さん、放送作家でコラムニストの町山広美さん。タナダ監督と脚本の話を少し。

ジャズ評論家の清水俊彦さんが亡くなったのを、大友良英さんのブログで知る。
http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/

『佐谷画廊の30年』を引き続き。でも、疲れているのか、2頁も読まないうちに眠ってしまうのだ!
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