『ユルスナールの靴』のことなど

hogodou2007-05-20

朝、うちの猫に顔を殴られて起きる。
うちの猫は、ひとの顔を殴る。起きないと、続けて何度も殴る。多分、腹が減っているのだと思う。
林容子『進化するアートマネージメント』を読む。
丁寧にアートマネージメントの基礎を押さえつつ、展望と課題をまとめてくれている。とても参考になる。そして、とてもまともなことが書いてある。振り返ると、映画は、これほどにも自分たちの作品を守る事が出来ていないと実感を深くしてしまう。僕も含め、映画は衆愚の時代に入っているのかもしれない。
須賀敦子ユルスナールの靴』読了する。美しい文章。ユルスナールの足取り、須賀さんのユルスナールを辿る旅、須賀さんの老いをしのばせる現在、過去、『ハドリアヌス帝の回想』『黒の過程』などユルスナールの小説の登場人物たちの間を行きつ戻りつしながら重層的に語られて行くテクスト。ユルスナールが感動したというフロベールの書簡にある言葉が印象深い。
「神々はもはや無く、キリストは未だ出現せず、人間がひとりで立っていた、またとない時間がキケロからマルクス・アウレリウスまで、存在した」
今日のiPod クロノス・クァルテット『テリー・ライリー/アダムのためのレクイエム』