渋谷毅さんのことなど

hogodou2007-04-17

日向朝子監督と会う。
いろいろな話。彼女が22歳の時に書いた脚本のこと。撮ってみたい映画のこと。人の知覚について。音楽のこと…。ジャズピアニストの渋谷毅さんの話をする。10代の終わり頃から、大好きなジャズピアニスト。オーケストラもいいが、ピアノソロがいい。大学に入学してすぐ、PITINNでソロがあることを知り、何度も通った。軽々と美しい音が指先から溢れてくる…そんな感じがしたものだ。最近も、西荻アケタの店の深夜のソロを聞きに行った。渋谷さんは、薄い水割りを飲みながら、休憩を挟んで2ステージ演奏した。2時頃終わって、さぁ、飲みましょう、こんな時間に終わって、どうするんですかね、と苦笑して、客席に腰を下ろした。映画音楽でご一緒してみたいと思いながら、一度も声をかけたことはないのだった…。
日向監督から、最近琴線に触れた原作とかないんですか?と聞かれ、どうかな、と思う。
正直言って、新しい小説の中には、思い当たらない。
ずっと最近は堀辰雄ばかり読んでいる。
『海辺の生と死』は夢かもしれない。でも「ほんとうに美しい」ものを作りたいと願っている。「美しい」には、いろいろな「美しい」があるけれど、「ほんとうに美しいもの」ってイデアだから、希求しながら、絶対に到達し得ないものを指すのだろう。「ほんとうに美しいもの」を希求して、常に人は敗れる。勝ち負けじゃないけれど。
いろいろな電話がある。嬉しい電話もあれば、苦い電話もある。
いくら働いてもおっつかないな。
夜遅く、しまおまほさんと電話で少し話す。
深夜に帰って、宮沢昭の『木曽』を聞く。猫も膝の上で首を傾げながら聞いている。
今日のiPod キース・ジャレット『FACING YOU』
ほんとに凄いと思う。