『赤い文化住宅の初子』初日決定しました。

hogodou2007-04-02

タナダユキ監督と作った『赤い文化住宅の初子』の東京での公開初日が決まりました。
5/12(土)です。
舞台挨拶もありますが、詳細はこれから。公式HPでお知らせしますので、こちらも是非ご覧ください。
http://www.hatsuko-movie.com/
タナダ監督とは、このマンガの映画化で初めて出会った。読んで、すごくいい感想をメールで送ってくれた。その感想があまりよくて、彼女とこの映画を作れば大丈夫だと思ったのだ。台本を何度も直して、最初から音楽と決めていた豊田道倫さんともサントラを作る事が出来た。主演の東亜優をはじめ、浅田美代子さんや、ムーンライダーズ鈴木慶一さんたちにも出演してもらい、映画が出来上がったのが1月。みんなありがとう。『赤い文化住宅の初子』は、公開になります。
本棚から、島尾伸三さんの『生活』『季節風』を引っ張りだす。
ページをめくると、島尾伸三さんのサインが入っている。1996年。そうだ、すっかり忘れていたけど、この2冊で、はじめて伸三さんの文章をまとめて読んだのだ。驚いて、『恐怖分子』のパンフに掲載するエッセイは、伸三さんしかいない、と勝手に決めた。堀江敏幸さんとの出会いもそうだった。「ユリイカ」に連載されていた、後に『郊外へ』として一冊にまとまる彼の文章を読んで、フィリップ・ガレル監督の『愛の誕生』のパンフの巻頭は、堀江さんのエッセイと決めていた。堀江さんと一緒に、この映画に触れる人たちにも、ガレルのパリを歩いて欲しいと思ったのだ。伸三さんに電話をして、会いましょうかということになり、この本を2冊抱えて渋谷の喫茶店で会ったのだ。原稿どころか、写真の掲載もねだった。伸三さんは、厚かましい奴と思ったにちがいない。すみません。でも、別れ際に折角だからと、本にサインを入れてくれた…。
若いスタッフが、堀辰雄を知らなくて、驚愕する。でも、そうかもな、そうかもしれないな、と思い直す。彼女達にとって『風立ちぬ』は、松田聖子の歌で、それも懐メロなんだろう。かつて『風立ちぬ』や三島由紀夫の『潮騒』は、アイドル映画の定番だった。でも、今は誰も映画化なんてしようとしない。ちょっと淋しくなって、片山敏彦の『リルケ』と富士川英郎の『リルケと軽業師』を読む。
今日のiPod ポール・サイモン『ワン・トニック・ポニー』
「神はいかにして映画を創りたもうたのか」が聞きたかった。