ヒアシンスハウス

hogodou2007-04-01

つらつらと島尾敏雄さんのことなど考える。
『日の移ろい』『続・日の移ろい』という「海」に連載された日記が、実は一番好きかもしれない。『死の棘』の後、何かに耐えるように描き綴られる文、鬱と向き合うような奄美で暮らす島尾さんの日記…。好きなのだが、あまり近寄らないようにしている。読んでいると、島尾さんの気分が、自分の中に流れ込んで来てたまらなく耐え難くなるのだ…。島尾伸三さんの文章や写真にも、そんなところがある…。
そういえば、金曜日に電話で甲斐田祐輔監督と新作の打ち合わせ。甲斐田監督とは西島秀俊さんが主演した『すべては夜から生まれる』以来の付き合いでもある。今回は、実際に起きたある事件をモチーフに、脚本を甲斐田監督が書き下ろした。現在、各社調整中。脚本の中でどうしても解決できなかった部分の解決策を幾つか。それから、最近起きた事件から考えたことについて喋る。6月にはインできるだろうか…。
事務所に戻って、スタッフが買って来た『暮らしの手帖』を見ると、立原道造のヒアシンスハウスについて書かれた文章が載っている。詩人であり建築家であった立原が、夢想した小住宅。彼が残した7枚のスケッチをもとに、埼玉県の別所沼公園の中に2004年ヒアシンスハウスが建てられたという。つき合いはじめた頃、一人しか住む事の出来ないその小屋のスケッチを見せられた恋人水戸部アサイの戸惑い…。この詩人の一生には少し興味がある。新しい全集の刊行も始まった。
今日のiPod 矢野顕子『オーエスオーエス』→『ピヤノアキコ』
『オーエスオーエス』が好きだ。「ラーメンたべたい」もいいが、「GREENFIELDS」は名曲だと思っている。