幽閉者3

hogodou2007-01-17

クランクインが目前に迫った奥原浩志組の準備とデスクワークで一日が終わる。
眠い。なんだか凄く。雨だからだと思う。それじゃ、猫みたいだ。
『幽閉者』の足立正生監督には獄中で描いたドローイングが18点ある。現物は、今、中野タコシェで展示中。その小さな画集をどんな構成にしようか考える。監督の想像力の奔流には驚くべきものがあると思う。映画もそうなのだが、過剰なのだ。それが壮絶にも見え、ユーモアにも見えるのが面白い。田口トモロヲさんは、それを大島渚監督や若松孝二監督は、かつて「笑われない」作品を作ったが、足立監督の作品は当時から一人ユーモアのある作品を撮った、『幽閉者』でも「笑われる」ことよりも「笑わせる」ことを目指した作品を作っていると言った。
『幽閉者』でも、その前に書かれた未映画化の『十三月』という脚本でもそうなのだが、溢れ出る過剰なイメージは、監督の意図を超えた荒唐無稽とでも呼ばなければならいようなユーモアを生んでいると思う。カフカではないけれど、暗闇の中でお客さんが足立正生監督の映画を見ながら(もちろん足立監督はいつものように撮っているのだが)、腹を抱えて笑っている姿を夢想する。カフカが自作を朗読すると、聴衆は笑い転げていたと読んだ事がある。僕らは、そんなところにまでたどり着けるだろうか?

今日のiPod 町田町蔵+北澤組『腹ふり』
引き続き生田耕作を読みながら、鈴木創士さんの『魔法使いの弟子 批評的エッセイ』を読む。